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2020年04月07日

ステーキングの税金について解説します(ADAなど)

最近注目が高まっているステーキングについて、税金がどのように課税されるのか疑問に感じておられる方がいらっしゃるのではないでしょうか。

「ステーキングとは?」

「ステーキングにかかる税金が知りたい」

上記のような疑問にお答えします。

2020年3月時点では、ステーキング報酬に関する明確な取り扱いについて国税庁の発表はありません。

しかしながら実質的にはマイニングと同じと考えられますので、マイニングの税務を参考にして解説していきます。

ステーキングとは(プルーフ・オブ・ステーク(Proof of Stake:PoS))

ステーキングとは、ウォレットなどに指定された量の仮想通貨を預け入れることで、報酬を得られる仕組みです。

仮想通貨を代表するビットコインではプルーフ・オブ・ワークが採用されマイニングをすることで報酬を獲得できました。

一方でステーキングができる仮想通貨では、プルーフ・オブ・ステークを採用しています。

ステーキングではマイニングのように膨大な計算作業をする必要はなく、ウォレットに仮想通貨を預けているだけで報酬を獲得できます。

そのためステーキングは仮想通貨投資の「インカムゲイン」ともいわれています。

ステーキング対象の仮想通貨

ステーキングの対象になるのはプルーフ・オブ・ステークを採用している仮想通貨です。

現時点で主な仮想通貨は下記の3つではないでしょうか。

  1. Tezos(XTZ)
  2. COSMOS(ATOM)
  3. ADA(テストネットにてステーキングを開始)

最近では、コインチェックのLiskという通貨でステーキングが開始されました。

またイーサリアムもPoWからPoSへ変更する計画もあります。

今後、ステーキング報酬を得られる方が増加すると思いますので、税金対策も考えておくといいでしょう。

ステーキングの利益にかかる税金が気になりませんか?税金対策方法も教えます。

残念ながら、2020年3月時点では国税庁からステーキング報酬に関する明確な取り扱いは発表されておりません。

ただし、ステーキングにかかる税金の考え方は、実質的にはマイニングと同じです。

従いまして、マイニングにおける税金の計算方法を理解しておくと、ステーキングにかかる税金も理解することができます。

以下では、マイニングと比較してステーキングの税金について解説していきます。

ステーキングにおける収益認識のタイミング

マイニングで収益が認識されるタイミングは主に2つ。

1.マイニング報酬を取得したとき

2.マイニングで取得した仮想通貨を売却、決済、交換したとき

たとえばマイニングで1BTCを報酬として獲得すれば、そのときの時価で収益を認識します。

このときの1BTCの時価を100万円だとすれば、収益は100万円になります。

その後、獲得した1BTCを120万円で売却したとしましょう。

このタイミングで、売却価額と取得原価の差額を損益で認識します。

今回のケースですと、120万-100万円で20万円の売却益ですね。

ステーキングでも同様の計算が行なわれると考えられます。

そのため、ステーキングで1ADAの報酬を獲得したタイミングで、そのときの時価で収益を認識し、売却時等でも差額を損益で認識することになります。

ADAステーキングの収益認識のタイミング( テストネット環境)

現状、ADAではテストネット環境でのステーキングが開始されています。テストネット環境で受け取っているステーキング報酬はADAではなくテストADAとなっています。

テストADAは換金性がなく、メインネットに移行したタイミングでテストADAは本物のADAに移行されることが予定されています。

このテストADAを受け取った時点で収益を認識するか、メインネットに移行したタイミングでまとめてADAを収益認識するか、意見が分かれておりますが、私見としてはメインネットにまとめて移行した際に収益認識するのが妥当と考えております。

なぜならテストネット環境で受け取っているテストADAは取引所に上場しているような換金可能なものではないからです。取引所に上場していなくてもOTC取引等によって市場が形成されている場合は話は別です。

またテストネット環境でステーキングしている暗号資産は他にもありますが、テストネット環境で受け取った暗号資産はそのままメインネットに移行できず消滅してしまうケースもあるため、収益認識はメインネットにある換金性のある暗号資産に交換されない限り、実現していないと考えるの妥当です。

実際にはテストネット環境によるステーキングの期間が期末(所得税なら12月31日)を跨いでいないこと、両方の計算方法を実施してみて損益に大幅な乖離がないという2つの条件が揃えば、大きな問題にはならないかと存じます。ご不安な方は弊所に税務相談をしていただければと思います。

ステーキングの必要経費

マイニングではGPUやASICの購入費用や電気代等が必要経費として計上されます。

一方、ステーキングでは特に上記のようなものは利用しないため、経費として計上できるものは仮想通貨取引のみに利用するPCやネットワーク環境くらいかと思います。

ステーキングにおける所得の種類

個人で稼いだステーキング報酬はマイニングと同様に、原則、雑所得になります。

雑所得では、2つの注意点がありました。

  1. 他の所得と損益通算ができない
  2. 赤字を繰り越せない

たとえば会社員の方が副業でマイニングやステーキングを行って、損失が出たとしても給与所得と損益通算はできません。

また赤字を出したとしても、翌期に繰越すこともできないです。

続いて、ステーキングにおける節税対策をご紹介します。

ステーキングの節税対策

ステーキングで利益ができた時の節税対策としては、4点方法があります。

  • 含み損がある仮想通貨を損失確定(損確)させる
  • 雑所得同士で損益通算する
  • 法人で運用する。
  • 中小企業経営力強化税制を用いてマイニング投資をする
  • 個人事業主の事業所得として計上する。(要件が高いためここでは省略します)

含み損がある仮想通貨を損失確定させる

たとえばマイニング報酬で得た仮想通貨は、①マイニング報酬を受け取ったときと、②マイニングで取得した仮想通貨を売却、決済、交換したときに収益を計上しました。

ということは、マイニング報酬で得た仮想通貨を保有しつづけていれば、②の損益は認識されないままです。

もしマイニング報酬で得た仮想通貨のうち、時価が暴落し含み損を抱えていて、「いつ価額が戻るか分からない…」通貨が手元にあれば、損失確定をすることで損失を計上できます。

つまり、含み損の回復見込みがない仮想通貨があるときは、雑所得で利益ができたときに損失を確定したほうが節税となります。

今こそ眠らせているICO銘柄を蘇らせるのです笑

このときに注意していただきたいことが期ズレを起こさないようにすることです。

期ズレとは計算期間を跨いで実施してしまうことを指します。

個人の所得税では1月1日から12月31日が計算期間です。

ステーキングでも同様の考え方になりますのでしっかりと節税対策をしていきましょう。

雑所得同士で損益通算する

ステーキングで得た所得は、原則として総合課税の雑所得として扱われるのは前述の通りです。

雑所得の赤字と他の所得では相殺できません(逆方向は相殺できるケースがあります)が、同じ雑所得内では損益通算ができます。

たとえば副業で10万円の赤字になり、マイニングで30万円黒字になったとしましょう。

このときどちらも雑所得であれば、30万-10万円=20万円が総合課税の雑所得になります。

この他にも海外FXや海外先物取引などは雑所得に該当するので、積極的に相殺していきましょう。

法人で運用する

法人であれば、個人雑所得のデメリットである損益通算や損失の繰越控除も解消できます。

法人のメリットデメリットはこちらにまとめてありますのでご参照ください。

中小企業経営力強化税制を用いてマイニング投資をする。

中小企業経営強化税制とは、青色申告の承認と中小企業等経営強化法の認定を受けた中小企業者等(個人事業主含む)が受けられる税制優遇制度になります 。詳しくはこちらのブログに掲載しているのでご参考ください。

まとめ

ステーキング報酬の税務上の取り扱いは、まだ明確に公表されておりません。

しかしながら実質的にはマイニングと同様に扱われると思われますので、現在のところはマイニングと同じ税務処理をすると考えておきましょう。

おさえておくべきポイントは、

1 いつ収益を認識するのか

2 所得の分類はどれになるのか

3 利益が出たときの節税対策はあるのか

です。

※当記事は2020年3月時点の情報に基づいて記載しております。現時点で判明している法律・通達等に基づいて記載しておりますが、正確性等を保証するものではございません。当記事を参考に何らかの行動をされる場合は、管轄の税務署・税理士をはじめとする専門家にご確認ください。

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