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暗号資産(仮想通貨)税務のよくある質問 ~個人所得税編~
暗号資産(仮想通貨)に特化して税理士を行っていると、様々な暗号資産に関する税金の相談を受けます。
今回はよくある暗号資産(仮想通貨)の税金の質問第二弾として個人所得税に関するものについていくつか紹介していきたいと思います。
※第一弾 ~法人設立編~
個人所得税編
目次
いきなり税率がアップする?(累進課税の仕組み)
日本の所得税においては超過累進税率(超過累進課税)が採用されているため、税額が急激に大きくなるといったことはありません。
※超過累進税率とは
累進税率とは、所得が増えるほど、より高い税率が適用される課税方式を指します。所得が一定の範囲に収まるごとに、その範囲ごとに決まった税率が適用され、その税率は所得が増加するにつれて段階的に高くなります。超過累進税率では、全体の所得に一律の税率を適用するのではなく、所得の一部に対して異なる税率が適用されます。
日本の所得税率

具体的な計算方法
例えば、課税所得が7,000,000円の場合、税金の計算は次のように段階的に行われます:
- 最初の1,950,000円に対して5%の税率が適用され、税額は97,500円。
- 次の1,350,000円に対して10%の税率が適用され、税額は135,000円。
- 次の3,650,000円に対して20%の税率が適用され、税額は730,000円。
- 残りの50,000円に対して23%の税率が適用され、税額は11,500円。
これらを合計すると、974,000円が所得税額となります。

尚、表にある控除額を用いた簡便的な計算方法は7,000,000円×23%-636,000円=974,000円となり、通常の計算結果と一致することが分かります。

次に実効税率(平均税率)を計算してみると974,000÷7,000,000≒13.91%となり、意外と大きくないことが分かります。

このように、ある金額を超えた部分にのみより高い税率が適用されることとなるため、ある所得金額から税額や実効税率(平均税率)が急激に大きくなるといったことはありません。
●●年度は利益が出ていないから損益計算する必要がない?
結論
利益が出ていない年度において、直ちに暗号資産(仮想通貨)取引の損益計算を行う必要はありませんが、将来的に利益確定を行った時には原価情報が必要となるため、原価計算を適時に行うのが望ましいです。損益計算を怠ると、以下のリスクが生じます。
- 利益確定時に必要な原価情報
- よくあるケースとして過去の取引履歴を遡って確認するのが難しい場合や、取引所の閉鎖等により取引履歴が取得できない場合があり、損益計算に支障が出ることがあります。取引所間の送金であればもう一方の取引所の取引履歴から補完することもできますが、取引所内の取引は確認することができなくなってしまうでしょう。このような時、最終的には記憶に頼らざるを得なくなることを考えるとやはり早め早めに対応しておく必要があります。また毎年最低限として取引履歴のダウンロードはやっておくのが良いですが、取引履歴自体に不備がある場合があることも確認されているため、保有している暗号資産(仮想通貨)の数量確認を含めた損益計算まで行うのがより望ましいです。
- 概算取得費の適用リスク
- もし適切な原価計算を行っておらず合理的な取得費の推計を行うことができない場合、概算取得費として、売却金額の5%を取得費として計上することになります。これでは実際の取得価額よりも低く見積もられる可能性が高く、結果的に課税所得が増え、税負担が大きくなるリスクがあります。

暗号資産(仮想通貨)取引の所得区分はどうすればいい?
個人による暗号資産(仮想通貨)取引の所得区分は通常以下の3つのいずれかとなります。
- 雑所得(その他)
- 雑所得(業務)
- 事業所得

事業所得として申告する場合は事業として認められるかというハードルがあるため、基本的には雑所得のその他又は業務のどちらかに該当することがほとんどです。(事業所得として暗号資産取引を行う一例:NFTの作成販売を事業としており付随的に暗号資産(仮想通貨)取引を行っている)
雑所得のその他と業務では必要経費の範囲が異なるため、特に損益計算代行を依頼される方であれば業務で申告できるか、してよいかを中心に所得区分を決定すると良いでしょう。

ホワイトテック会計事務所の実績
ホワイトテック会計事務所は2017年度より暗号資産に特化した税理士業務を行っており、税務調査の経験も豊富にあります。また国内初であろう暗号資産に関する税務訴訟に補佐人として関与しており、毎年の税法改正をキャッチアップするだけでなく、日々より深度の高い税務検討を重ねています。特に最近では暗号資産に明るくない税理士からの交代を度々受けており、過年度申告に対する更正の請求が認められたケースも複数あります。是非お気軽にお問い合わせください。
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※当記事は2025年6月時点の情報に基づいて記載しております。現時点で判明している法律・通達等に基づいて記載しておりますが、正確性等を保証するものではございません。当記事を参考に何らかの行動をされる場合は、管轄の税務署・税理士をはじめとする専門家にご確認ください。
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