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2018年09月14日

仮想通貨のデビットカード「ワイレックス(wirex)」の税金計算について

本日は仮想通貨のデビットカードであるワイレックス(wirex)をご紹介をします。

仮想通貨決済の実用化に向けて取り組んでいる店舗(ビックカメラ等)もある中でも、まだまだ日本では仮想通貨で決済可能な店舗は少なく、使える機会がまだまだ少ないのが現状です。

今後、実用化に向けてとても便利になる方法・ツールがwirexデビットカードです。

・ワイレックス社のホームページはこちら

wirexデビットカードとは

wirexデビットカードはwirex社で発行しているデビットカードです。

wirexデビットカードの特長はなんといっても仮想通貨決済に対応しているところです。対応仮想通貨はビットコインのみとなっています。

wirexではVISAに対応しているため、VISAが使用可能なお店ならばどこでもwirexデビットカードでの支払いが可能です。

スマホ対応もしているのでwirexデビットカードがあれば気軽に仮想通貨で決済を済ませることが可能になります。

wirexの税務処理についてもお問い合わせが多く、依頼者の中でも利用している方が多いため、今回記載をすることになりました。

是非、ご参考くださいませ。

 

wirexデビットカードを使用した際の税務上の処理の考え方

wirexデビットカードを通してビットコイン決済をする場合、処理は2段階になります。

  • ビットコインをUSドルに両替して口座で保有
  • 口座で保有しているUSドルを日本円に両替してお店等で支払いの決済

この2段階です。

ビットコインを直接支払いに充てることが出来るわけではなく、一度USドルに両替することが必要になります。

ここがwirexデビットカードの少々不便なところではありますが、USドルをベースとして処理が進みます。

USドルを介することから、税務上も仮想通貨取引だけでなく為替取引も出てくることになります。

まず前述の①では仮想通貨をUSドルに両替した時点で利確とみなされ、仮想通貨の損益を認識します。

次に②ではUSドルから日本円に両替をした時点で為替取引とみなされ、為替差損益を認識します。

①・②ともに所得税法上では基本的には雑所得に分類されます。

 

主なwirexデビットカードの税務処理

wirexデビットカードを使用する際に主に登場する取引についても税務処理をみていきましょう。

A:デビットカード発行

B:口座維持手数料

C:資金を送金

D:資金を追加

E:日本円引き出し

F:買い物(前述の②に該当)

G:USドルからビットコインへの両替

H:ビットコインからUSドルへの両替(前述の①に該当)

 

代表的な取引は主にこの8パターンになります。

A:デビットカード発行

こちらはサービスの購入に該当するため、ビットコインを消費しているのであれば、その時点の時価でビットコインの利確となり仮想通貨の損益を認識します。

B:口座維持手数料

デビットカードの使用に伴い必要な経費なので、必要経費として所得から控除しても差し支えないでしょう。

C:資金を送金

口座から口座へ資金を移すだけの取引で損益は認識しません。

D:資金を追加

Cと同様に口座から口座へ資金を移すだけの取引なので損益は認識しません。

E:日本円引き出し

USドルを日本円に両替して引き出す取引です。為替差損益を認識します。

F:買い物

前述の②に該当し、為替差損益を認識します。

G:USドルからビットコインへの両替

ビットコインの取得取引なので、ビットコインの取得原価を構成します。

H:ビットコインからUSドルへの両替

前述の①に該当し、仮想通貨取引による損益を認識します。

まとめ

仮想通貨をお店での支払いに充てることが出来て非常に便利なwirexデビットカードですが、税務上は為替も絡んで複雑なものとなります。

また法整備が進んでいないため、現在はwirexデビットカードの新規発行停止及び発行済wirexデビットカードの使用も停止されています。

wirex社はサービス再開に向けて動いているそうなので、今後の動向に期待したいですね。

クレジットカード×仮想通貨など、どんどん便利な世の中になっていけば、仮想通貨も身近なものになってくるかなと思いますし、そのような未来になればいいなと期待しています。

 

※当記事は2018年9月14日時点の情報に基づいて記載しております。現時点で判明している法律・通達等に基づいて記載しておりますが、正確性等を保証するものではございません。当記事を参考に何らかの行動をされる場合は、管轄の税務署・税理士をはじめとする専門家にご確認ください。

 

ホワイトテック会計事務所
代表 菊地 貴加志

仮想通貨トレーダーの確定申告に特化しており、日本仮想通貨税務協会(JCTA)の認定仮想通貨税理士事務所。仮想通貨分野に精通しており、多くのトレーダーの税務相談を受けている。仮想通貨の節税対策からリスク管理、ブロックチェーンビジネスの支援、ICOコンサルなどフィンテック分野のサービスを主に展開している。

 

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