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2018年09月14日

【2026年最新版】暗号資産カード(クレジットカード・デビットカード)の税務上の注意点

CONCLUSION / 結論

暗号資産カードは「貯める型(クレカ還元)」と「使う型(デビット決済)」で税務上の取り扱いが大きく異なります。

かつて人気だったワイレックス(Wirex)のデビットカードはサービスを終了しています。本記事では2026年時点で利用できる最新カードを整理しつつ、専門家の視点から税務上の論点を詳しく解説します。

暗号資産(仮想通貨)を日常決済や資産形成に活用できる「クリプトカード」への関心が高まっています。2026年5月にはSBIグループとVisaが連携したSBI VISAクリプトカードが発行開始となり、同月には日本初のUSDC担保型決済カードSlash Cardも正式発行を開始するなど、国内の暗号資産カード市場はいよいよ本格化の様相を呈しています。

暗号資産カードは、その仕組みによって税務上の論点が大きく異なります。「どのカードが得か」という前に、「使い方によってどのような税務上の問題が生じるか」を把握しておくことが、特に暗号資産投資家の方には重要です。本記事では、最新カードの概要を整理した上で、税務上の論点を専門家の視点から詳しく解説します。

この記事でわかること

  • 2025〜2026年時点の主要な暗号資産カードの種類と概要
  • 「貯める型(クレカ)」と「使う型(デビット)」の税務上の違い
  • 還元型クレカの付与時課税をめぐる解釈の論点
  • 取得価額の考え方と記録管理の実務
  • 2026年度税制改正の動向と今後の注意点

ワイレックス(Wirex)デビットカードはどうなった?

かつて日本でも注目を集めたワイレックス(Wirex)は、英国発の暗号資産決済プラットフォームです。Visa加盟店で暗号資産を直接使えるデビットカードとして人気を博しましたが、日本居住者向けのカード発行・サービス提供はすでに終了しています。

なお、Wirex自体は現在もグローバルで事業を継続しており、カルダノ(ADA)のエコシステム組織であるEMURGOと提携した「Cardano Card」の発行パートナーとしても名前が挙がっています。ただし、日本居住者が直接申し込める状況かどうかは、最新の公式情報を必ず確認してください。

CAUTION / 注意

ワイレックスのデビットカードはすでに日本向けサービスを終了しています。現在も旧カードの情報をもとに申し込もうとしている方は、最新の公式サイトをご確認ください。海外サービスの利用には、規約や法的リスクへの注意も必要です。

2025〜2026年時点の主要カード概要

現時点で日本居住者が利用できる主な暗号資産カードを整理します。還元率・年会費・キャンペーン等の詳細なスペックは変動する可能性があるため、各公式サイトにてご確認ください。

カード名種別対応暗号資産(概要)発行状況
SBI VISAクリプトカードクレジット(Visa)国内発行BTC・ETH・XRPから選択して還元✅ 2026年5月〜発行中
Zaifカードクレジット(JCB)国内発行BTC還元✅ 発行中
bitFlyer Credit Cardクレジット 国内発行BTC還元✅ 発行中
Slash CardUSDC担保型・BNPL(Visa)国内発行USDCを担保に決済(ステーブルコイン特化)✅ 2026年4月〜発行中(一般申込は2026年8月以降予定)
Triaカードデビット(Visa)海外・非カストディ型BTC・ETH・USDCほか1,000銘柄以上⚠️ 利用中・日本居住者の利用可否は公式要確認
Cardano Cardデビット(Visa)海外ADA他、多数の暗号資産に対応予定⚠️ 事前登録受付中・日本展開時期は未確認
ワイレックス(Wirex)デビット❌ 日本向けサービス終了

POINT / カード選びの前に

暗号資産カードは、その仕組みによって税務上の論点が異なります。還元率やブランドだけで選ぶのではなく、以下の税務解説をあわせてご確認の上でご判断ください。

暗号資産カードの税務:専門家が解説

暗号資産カードの税務を考える上で、まず「カードの仕組み」による分類を理解することが重要です。同じ「暗号資産カード」でも、決済の仕組みが異なれば税務上の論点もまったく異なります。

①「貯める型」と「使う型」で課税の論点が異なる

暗号資産カードは大きく以下の種類に分かれます。

種別仕組み主な税務論点
貯める型(還元型クレカ)日本円で決済し、利用額に応じて暗号資産が還元される付与時の課税関係(解釈が分かれる)
使う型(デビット決済型)保有する暗号資産をその場で換金して決済する決済のたびに課税が発生
USDC担保型(Slash Card)USDCを担保に後払い決済。加盟店には法定通貨で支払われる詳細はFAQ参照

以下、それぞれについて詳しく解説します。

②還元型クレカ(貯める型)の課税論点

SBI VISAクリプトカードやZaifカードのような還元型クレジットカードは、決済自体は日本円で行われ、利用額に応じて暗号資産が付与される仕組みです。この付与された暗号資産について、付与時点で課税関係が生じるかどうかは、現時点で国税庁の明確な見解が示されておらず、解釈が分かれます。

【課税されないとする見解】
通常のクレジットカードポイントと同様に、「値引き」または「反復的・少額の経済的利益」として捉える立場です。この解釈では、付与時点では課税関係は生じず、後日その暗号資産を売却・交換したタイミングで初めて損益が確定し、雑所得として申告が必要になります。

【課税されるとする見解】
暗号資産は通常のポイントとは異なり、財産的価値を持つ資産です。「カード利用という行為の対価として暗号資産を取得した」と整理すると、国税庁の暗号資産FAQにおけるマイニング報酬やステーキング報酬と同様に、付与時の時価が雑所得として課税される可能性があります。

いずれの解釈が適用される場合でも、付与時点の時価(市場価格)を記録しておくことが実務上の最低限の対応となります。取引所の月次レポートや年間取引報告書を活用し、付与日・付与数量・付与時の時価を必ず記録しておいてください。

EXPERT NOTE / 実務メモ

還元される金額が少額にとどまるケースでは実務上大きな問題になりにくいとも言われます。ただし、高還元率カードの積極的な利用や、暗号資産価格が高騰している局面では、付与額が相応の金額になることもあります。金額の多寡によっては無視できない論点になり得るため、ご不安な場合は専門家へご相談ください。

③取得価額の考え方(解釈別に整理)

還元された暗号資産を後日売却した際の損益計算において、取得価額をどう設定するかは付与時の課税関係の解釈によって異なります。

付与時の解釈取得価額の考え方
付与時に雑所得として課税される課税対象となった付与時の時価が取得価額となる
付与時には課税されない付与時に課税しないとする場合、無償取得として取得価額を0円とする考え方も理論上は成り立ちます。一方で、クレジットカード利用に対する値引き・リベートと捉える場合には、取得価額を一定の価額(例えば付与時の時価)とする考え方もあり、いずれの整理が妥当かは現時点で明確に示されていません。

いずれの解釈が適用される場合でも、付与時点の時価(市場価格)を記録しておくことが実務上の最低限の対応となります。取引所の月次レポートや年間取引報告書を活用し、付与日・付与数量・付与時の時価を必ず記録しておいてください。

④「使う型」デビットカードの課税

保有する暗号資産をその場で換金して決済するタイプは、国税庁の見解に基づき、決済のたびに暗号資産の「譲渡」が発生したものとして取り扱われます。決済時の時価と取得価額の差額が損益として認識され、利益があれば雑所得として申告が必要です。

【具体例】
1BTC=300万円のときに取得したビットコインを、1BTC=600万円のときにカード決済で0.01BTC分(6万円相当)使用した場合、差額の0.01BTC×300万円=3万円が雑所得として課税対象になります。1回あたりの金額は小さくても、決済回数が多ければ年間を通じた申告漏れリスクが積み重なります。

Triaカードのようなカードは1,000銘柄以上に対応しており、保有する暗号資産でそのまま決済できる利便性がある一方、決済のたびに課税イベントが発生しうる点に注意が必要です。また、Triaカードはカード利用に応じてUSDT等のキャッシュバック報酬が付与される仕組みがあり、この報酬についても付与時の時価で雑所得として課税される可能性があります。

CAUTION / 注意

「使う型」カードは日常の買い物のたびに課税イベントが発生する可能性があります。コンビニやレストランでの少額決済であっても、暗号資産価格が取得時より上昇していれば利益として課税対象になります。利用前に税務上の取り扱いを十分にご理解の上でお使いください。

⑤Slash Card(USDC担保型)の税務上の特徴

Slash CardはUSDCを担保に後払い決済するBNPL型のカードです。オリコ・アイキタスと共同で発行する国内規制準拠のサービスであり、加盟店には法定通貨(日本円)で支払いが行われます。

USDCは現時点で資金決済法上の「暗号資産」に分類されるため、決済時に取得時との円換算差額が損益として生じる可能性があります。ただし、USDCは1USDC≒1USD設計のため価格変動が小さく、実務上の課税影響は限定的なケースが多いと考えられます。課税タイミング等の詳細な論点については、よくある質問をご覧ください。

⑥損益計算と記録管理の実務

暗号資産カードを利用する場合、以下の情報を記録・管理することが申告の前提となります。

  • 還元型クレカの場合:付与日・付与された暗号資産の数量・付与時の時価
  • デビット決済型(Triaカード等)の場合:決済日時・決済金額・使用した暗号資産の数量・決済時の時価・当該暗号資産の取得価額。キャッシュバック報酬がある場合は付与日・付与数量・付与時の時価も記録
  • Slash Card(USDC担保型)の場合:USDC取得時の時価・担保拠出日・充当日・充当数量・充当時の時価

記録が煩雑になる場合は、クリプタクトやGtaxなどの損益計算ツールを活用し、取引所からCSVデータをエクスポートしてインポートする方法が実務的には一般的です。ただし、カード利用分のデータが自動連携されるかどうかはサービスによって異なるため、取引所の取引履歴と突き合わせて確認することをお勧めします。

EXPERT NOTE / 実務メモ

暗号資産の取得価額の計算方法は「総平均法」または「移動平均法」のいずれかを選択し、所轄税務署に届出が必要です(届出なき場合は総平均法が適用)。カード利用による取得分もこの計算に含まれるため、他の取引と合算して管理する必要があります。年間を通じた損益計算の整合性を保つためにも、カード利用開始時から記録体制を整えておくことを強くお勧めします。

⑦2026年度税制改正の動向と今後の注意点

2026年度税制改正大綱では、一定の要件を満たす「特定暗号資産」について申告分離課税(20.315%)の導入が議論されています。現行制度では個人の暗号資産取引の利益は原則として雑所得(総合課税・最大約55%)として課税されており、税率面での負担が大きい状況です。

また、現行制度では暗号資産取引による損失について、他の所得との損益通算および翌年以降への繰越控除はいずれも認められていません。税制改正の議論では繰越控除の導入も検討されており、実現すれば投資家にとって大きなメリットとなります。

ただし、改正の対象となる「特定暗号資産」の範囲・要件・施行時期については今後の法令整備を待つ必要があり、現時点では確定した情報ではありません。暗号資産カードの還元分やSlash CardのUSDCがこの特定暗号資産に該当するかどうかも含め、制度の動向を継続的に確認することが重要です。弊所でも最新情報を随時発信していきます。

CAUTION / 注意

税制改正の内容は大綱・要綱・法案・施行と段階を経て確定します。「改正が決まった」という情報を見かけた場合でも、適用要件・施行時期・経過措置の詳細を必ずご確認ください。誤った情報をもとに申告を行うと、過少申告加算税等のリスクが生じます。

よくある質問

Q. 還元型クレカで暗号資産をもらったとき、税金はかかりますか?

付与時点の課税関係については、現時点で国税庁の明確な見解が示されておらず、解釈が分かれています。通常のクレカポイントと同様に付与時は課税されないとする見解と、財産的価値ある資産の取得として付与時の時価で課税されるとする見解があります。還元額が少額であれば実務上大きな問題になりにくいとされますが、金額の多寡によっては無視できない論点になり得ます。いずれの解釈でも対応できるよう、付与日・数量・時価の3点を必ず記録しておくことをお勧めします。ご不安な場合は専門家へご相談ください。

Q. カード利用で還元されたビットコインの取得価額はいくらになりますか?

付与時の課税関係の解釈によって異なります。付与時に雑所得として課税された場合は、その課税対象となった時価(付与時の市場価格)が取得価額となります。いずれの解釈の場合でも、付与時点の時価を記録しておくことで対応できます。取引所の取引履歴や年間取引報告書を活用してください。

Q. 暗号資産をカードで決済するたびに申告が必要ですか?

「使う型」のデビットカードで暗号資産を決済に充てた場合、原則として決済のたびに譲渡損益が発生します。年間の合計損益が一定額を超える場合は確定申告が必要です。利用開始前にクリプタクトやGtaxなどの損益計算ツールを準備し、決済のたびに記録を残す体制を整えることが申告漏れを防ぐ最も現実的な対策です。

Q. Slash CardでUSDCを使って決済すると税金はかかりますか?

USDCは現時点で暗号資産に分類されるため、決済に用いた際に取得時と決済時の円換算額の差額が損益として生じる可能性があります。USDCは価格が安定しているため実務上の影響は限定的なケースが多いです。課税タイミング(担保拠出時か充当時か)については現時点で解釈が定まっておらず、カードの法的構造によって結論が異なりうるという論点があります。いずれのタイミングにも対応できるよう、担保拠出時・充当時・返還時の日時・数量・時価をすべて記録しておくことが実務上の最善策です。詳細をご確認されたい方は専門家へのご相談をお勧めします。

Q. Triaカードは日本から使えますか?

Triaカードは海外サービスであり、米国・英国居住者は利用不可と明記されています。日本居住者の利用可否については公式サイトの最新情報をご確認ください。また、Triaカードは保有する暗号資産をその場で換金して決済する「使う型」のカードであるため、決済のたびに課税イベントが発生する可能性がある点も念頭に置いてください。

Q. ワイレックスのデビットカードはもう使えませんか?

日本居住者向けのサービスはすでに終了しています。Wirex自体はグローバルでサービスを継続していますが、日本在住の方が新規申し込みを行うことは現在できません。代替として、国内発行のSBI VISAクリプトカードやZaifカード、またはSlash Cardをご検討ください。

Q. 暗号資産の税率はいつ下がりますか?

2026年度税制改正大綱において、一定の要件を満たす「特定暗号資産」については申告分離課税(20.315%)の導入が議論されています。ただし、適用対象・要件・施行時期については今後の法令整備を待つ必要があります。現時点で確定した情報ではないため、最新の法令・通達をご確認いただくか、専門家へご相談ください。

Q. 暗号資産カードの損失は他の所得と損益通算できますか?

現行制度(2026年時点)では、個人の暗号資産取引による損失は、他の所得(給与所得・株式譲渡益など)との損益通算はできません。また、翌年以降への繰越控除も認められていません。同じ「暗号資産取引による雑所得」の範囲内では損益通算が可能です。2026年度税制改正の議論では繰越控除の導入も検討されており、今後の動向に注目が必要です。

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【免責事項】本記事は執筆時点(2026年5月)の法令・通達・国税庁FAQに基づく一般的な税務情報の提供を目的としており、特定の銘柄や取引の推奨・投資助言ではありません。各カードのスペック・サービス内容・法的構造は変更される場合があります。実際の税務判断・カードの選択は個別の事実関係により異なるため、必ず公式サイトおよび税理士へご確認ください。

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