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2020年03月12日

デジタル資産(仮想通貨など)の相続にも税金はかかります

現金以外での決済方法が増えたことにより、最近ではpaypay等の電子マネーが増えてきました。

そこで本記事では、

「デジタル資産の相続で税金はかかる?」

「デジタル資産の相続前に準備することはある?」

上記のような疑問にお答えします。

デジタル資産にも相続税は課税されてしまいます。しかし、生前贈与を利用すれば節税をすることは可能です。

デジタル資産の相続にも税金はかかります

デジタル資産とは、

  1. 仮想通貨
  2. 電子マネー
  3. マイルやポイント

などの現金以外のデータで暗号化された資産のことです。

このデジタル資産にも相続税が課税されるのをご存じでしょうか?

仮想通貨

仮想通貨などのデジタル資産は、いわば現金をデータに変換しただけとみなされ、相続税の対象となります。

ただし仮想通貨の場合は、現金とは違い値動きが激しいので、評価額をいくらにすべきかというのが論点になります。

この点、国税庁は「仮想通貨交換業者が公表する課税時期における取引価格」で判断するとしています。つまり、相続税の場合ですと、被相続人が亡くなったタイミングの市場価格をベースに仮想通貨の評価額を算出されます。

ここで懸念されるのが、相続手続の最中に市場が暴落してしまったケースです。

「相続税の課税時期」で仮想通貨の価格が評価されるため、仮想通貨の暴落が起きたとしても相続税が高額になってしまうケースが起こりえます。

仮想通貨は値動きがとても激しいので、早めに相続対策を講じたほうがよいでしょう。

電子マネー

電子マネーは相続や払い戻しが可能な場合に、相続税が課税されます。

たとえばsuicaは現金をJRに預けているだけになりますので、利用者が亡くなってしまった場合は払い戻しができます。

しかしnanacoの場合は、利用者が死亡した時点で残高が失効する旨がカード会員規約に記載されており、払い戻しはできません。したがって相続税は課税されませんが、チャージしていた現金がすべて損になってしまいますので気をつけてください。

いずれ相続することを考えると、利用者が亡くなったときに残高が失効してしまう電子マネーは利用を控えたほうが良いと思います。

マイルやポイント

JALとANAのマイルは相続ができるため、相続税の対象となりうる可能性があります。

一方でクレジットカードのポイントやTポイントなどは、利用規約で相続できないという趣旨を記載しているケースが多く、その場合は相続税は課税されない可能性が高いです。

ただし、マイルやポイントは各運営会社によって規約が違うため、「一概にマイルやポイントは相続されない」というわけではないので注意してください。

またマイルやポイントには有効期限がありますので、期限が切れて失効してしまわないようにしましょう。

今までの話で、デジタル資産に相続税がかかることは理解していただけたとおもいます。

ここから先はデジタル資産の相続前に準備すべきことや節税方法をご紹介します。

デジタル資産の相続前に準備すべきこと

デジタル資産の相続にあたって、準備すべきことを2つにまとめました。

  1. デジタル資産の管理表を作成する
  2. 相続税の節税に生前贈与を検討する

デジタル資産の管理表を作成する

手間になるかもしれませんが、保有しているデジタル資産の管理表を作成することをおすすめします。

なぜかというと、残された家族は相続時に各デジタル資産の運営会社に、残高証明書等を取り寄せなければいけないからです。

たとえば下記のような感じで、最低でもユーザーIDとパスワードは表にまとめておくと良いと思います。

デジタル資産 ユーザーID パスワード
仮想通貨 whitetec 12345
電子マネー whitetec 12345
マイル whitetec 12345

利用しているデジタル資産があまりにも多い方は、残高が多いものだけを表にまとめておくだけでも有用です。

エクセルで表を作成できましたら、紙に印刷し、金庫などでこの表を保管しておけばなお良いでしょう。パスワードや秘密鍵は分散化して厳重に管理しましょう。

また先程も説明しましたが、電子マネーやポイントのなかには、利用者が亡くなったときに消滅してしまうものがあります。

相続を念頭におかれるのであれば、電子マネーの利用は少額にして、ポイントは早めに消費するように心がけてください。

相続税の節税に生前贈与を検討する

相続税の節税でよく利用されるのが生前贈与です。

被相続人が亡くなる前に現金などの資産を家族に与えると、贈与としてみなされ贈与税が課税されますが、贈与税には基礎控除があり、年間110万円以下までは税金がかかりません。

この仕組みを利用して、毎年110万円ずつデジタル資産を贈与すれば節税になります。

ただし、仮想通貨の贈与に関しては、令和元年度の改正により贈与した時点の時価で売却したとみなされ雑所得が計算されてしまうため注意が必要です。

110万円を超えるとさらにもらった側も贈与税が発生するため、ダブルパンチを食らってしまい、全くいいことはないので、気を付けてください。

まとめ

デジタル資産にも相続税は課税されます。

そのため事前に節税対策を準備しておくと、残された家族の方も安心していただけるとおもいます。

まずは保有しているデジタル資産の管理表を作成してみてください。あとから「家族が知らなかったデジタル資産が出てきた…」というようなことにならないためにも管理表は必要だと思います。

また相続税を節税するために、生前贈与を検討するのもよいでしょう。ただ仮想通貨に関しては贈与時点の時価で売却したとみなされてしまいますので、ご注意ください。

※当記事は2020年2月時点の情報に基づいて記載しております。現時点で判明している法律・通達等に基づいて記載しておりますが、正確性等を保証するものではございません。当記事を参考に何らかの行動をされる場合は、管轄の税務署・税理士をはじめとする専門家にご確認ください。

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